概要
前世紀における文明の飛躍的な発展は、天然資源の大量消費と環境への大きな負荷をともなうものでした。
21世紀における人類の持続的発展を可能とする環境調和型文明を構築するためには、社会を支える科学技術は根本的な質的発展、すなわち、最少の資源と最少のエネルギーを用い、環境への負荷を最小にして、高い付加価値を有する物質と質の良いエネルギーを得てこれを貯蔵する技術と、資源の循環およびエネルギーの高効率利用をはかる技術の創成がどうしても必要です。
これを可能にするためには、物質とエネルギーに関する新しい先端科学技術の開拓が不可欠であり、物質変換およびエネルギー変換を支える化学は、その中心的役割を担う学術領域であることは言うまでもありません。
このような時代の要請に根本から応えるために、物質エネルギー化学専攻では、第一に、基礎化学の効果的な継承と学理の発展、第二に、それを基盤とした独創性の高い応用化学の展開を推進することを基軸として、新しい環境調和型の物質変換およびエネルギー変換と資源の高効率循環を可能にするための研究を行っています。
具体的には以下の研究を行っています。
- エネルギー問題対応型物質変換反応の開発
- 環境問題対応型触媒反応の開発
- 新規触媒材料の創製
- エネルギー変換電極反応の開発と電極材料の創製
- 液-液・固-気および固-液界面反応の機構解明と制御
- 反応性活性種の制御による新材料の構築
- 機能性有機ケイ素化合物の創製
- 新規フラーレン誘導体の創製と機能化
- トレーサーの有効利用等